プロローグ 四川省重慶。詩人として成功した図書館員のチェンチン(レオン・カーファイ)。彼の勤める図書館にはサインをねだるファンたちが訪れる。ファンの中にはショートカットの都会的な女性シュウ(コン・リー)もいた。チェンチンは、颯爽と立ち去った彼女を追いかけ、やがてふたりは自然に並んで歩きだす―。 詩人からの恋文 中国・雲南省。ベトナム国境近くの鉄道沿いの古都建水。チョウユウ(コン・リー二役)は白磁の染付け絵師。ある夜、ダンスパーティで知り合った詩人の男から一遍の詩を贈られる。一瞬にして心奪われた彼女は、あくる日、男が住む四川省の都市重慶に向かう。汽車で10時間の遠距離恋愛が始まる。彼女は週に2回、チェンチンの住む重慶に通う。車掌が問う「よく体がもつね」、彼女は答える「汽車が家のようなものなの」。本が所狭しと並ぶまるで書庫のようなチェンチンの部屋で、永遠に続くかと思われた幸せな時間だったが、やがて彼は、彼女の強い想いを重荷に感じ始める。満たされない気持ちをもてあます彼女の前に、同郷の獣医チャン(スイン・ホンレイ)が現れた。 愛する男のもとへ通うため汽車に乗る女 チョウユウは、自分が絵付けした花瓶を持って重慶へ向かう汽車に乗っている。チェンチンの心をつなぎとめるためだ。チャンがその花瓶を売ってほしいと、彼女に声をかけた。「この青磁には、心を感じる。恋をしているだろう?」狼狽した彼女は、思わず花瓶を床に叩きつけてしまう。陶器の破片があたりに散らばった。気丈に見えた女の涙に心惹かれるチャン。共に仙湖を探しに行くことになった。仙湖とは、チェンチンから贈られた詩の中に出てきた湖―― わが天空の湖を満たすあのひとの姿 ただあなただけが、溢れるほどに満ちている 夢見る詩人 無骨な獣医 対照的なふたりの男 霧の中、ふたりは仙湖を探して歩きまわるが、湖はいっこうに見つからない。チェンチンから贈られた詩を読み返し、美しい湖があるに違いないと探し続けるが・・・見つからない。誰かに恋焦がれている彼女を、ほのかな恋心を抱くチャン「惚れたか・・でも俺には荷が重い女だ」その夜、ベッドで寄り添うチョウユウとチェンチン。「仙湖に行ったわ」と告げるチョウユウ。彼は本を読みながら「どうだった?」と彼女に尋ねる。彼女は、そんな彼の言葉に無言で背を向けるのだった。チャンは友人たちを自宅に招き、楽しく過ごしている。そこには、かいがいしく料理をし後片付けをするチョウユウの姿もあった。友人たちはそんな彼女を褒め、チャンも誇らしげに笑っている。思わず、彼女を抱きしめるチャン。しかし、チョウユウの心は揺れていた。一方チェンチンは、自分の夢を実現しようとしていた。教育制度の整っていないチベットの地で、教師になることが決まったのだ。チョウユウをひとり残して、旅立つチェンチン。 私を見送るの、つらくないの? チョウユウは、切ない想いを抱えながら駅に向かう。彼のいない重慶行きの汽車に乗るために。女が花を喜ぶように、ただ通うことに意味があった。そのことを知りながら彼女を見守るチャン。チョウユウはチャンに言う「私を重慶に見送るの、つらくないの?」「あいつは君を不幸にするだけだ。君を幸せにできるのは俺だけだ」寡黙な男の精一杯のことばだった。無骨で不器用だがひたむきな愛情を注いでくれるチャンに、次第に心惹かれていくチョウユウ。彼なら自分だけを見つめていてくれるが・・・・意を決してチャンの家におもむくチョウユウ。彼女をやさしく抱きしめるチャン。しかし、彼は彼女をベッドに残し外へ・・・・ エピローグ チョウユウの乗ったバスが交通事故にあい、崖から落ちて行く―。重慶に向かう汽車の中。シュウは、座席の下から白い花瓶の破片を見つけ、チェンチンの詩集「わが天空の湖―チョウユウに捧ぐ―」の中にはさむ。シュウの前の座席でチョウユウが微笑んでいる気がした
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