「30年前結婚したときには、うちが今のように国連みたいになっちゃうなんてことは思ってもいなかった!」――
これは今回ご紹介する連続ドラマ、『モダン家庭』の主人公、肖ばあさんの嘆きの言葉です。
彼女のこの何気ない一言は、近年中国における都会の変化を明瞭に語っています。「都会の変化」一体それはどのようなものでしょうか?
それはいわゆる「地球村(生活エリアのグローバル化)」現象です。
というのも「地球村」現象が、現在の中国大陸では、もはや単なる言葉から現実に変わりつつあるからです。
『モダン家庭』は、地球村の1つの典型的な例を示しています。
この家庭は、もともと北京にあるごく普通の家庭です。父親は元中学校の校長で、今は退職しています。母親の肖さんは(肖ばあさんのこと)、声の大きい、町会の名物おばあさんです。
この家の3人の子供は、みんな大学の優等生で、しかも容姿端麗で魅力的な子達です。そのせいか肖ばあさんは、3人の子供の婚姻問題に、すごく悩まされています。
長女は遥かな土地、イタリアに嫁ぎに行ったため、そのことが原因で実家と対立し、とうとう決裂してしまいました。しかし、その何年後かに外人の顔をしている孫を連れて帰ってきます。
韓国で働いている長男は、ある日突然、電話で韓国人の女性と結婚すると告げます。おまけにその韓国人女性は彼の上司だそうです。肖ばあさんはそれを聞いて、怒りを抑えきれなくなるのです。
次女は、オーストラリアに、幼なじみであるボーイフレンドに会いに行きますが、彼はすでに他の女性と恋愛関係になっており、彼女は彼を呼び戻すことができませんでした。彼女はそんな傷心の中、オーストリア人の男性と知り合うこととなります――。
紆余曲折あって、結局大事に育ててきた3人の子供達は、みんな「輸出」されることとなるのです。
こうして、『モダン家庭』は、小さな国連のようなものになっていきます。いろいろな文化背景を持つ人々が、この家庭に集ってきて、一緒に生活します。
もちろんその中には、文化摩擦から生じる笑い話がしばしば盛込まれます。とはいえ、みんな喜怒哀楽の感情をもつ「人間」であることに変わりはありません。
社会がいくら変化しても、みんな平和を祈り、愛を切望することは、変わりはないのです。『モダン家庭』は、私達にはっきりとそのことを教えてくれるものなのです。
『モダン家庭』の出演者達は、本物の「多国籍部隊」と言えます。出演者は、それぞれ中国、韓国、イタリア、マレーシア、モロッコ、スイス、ロシアの7ヶ国からきた有名俳優及び留学生達です。
本ドラマは、2002年のお正月の慶祝番組として放映されて以来、長い間ずっと中国人の間での話題作となっています。ぜひ一度、コミック性豊かな、中国の「モダン家庭」を楽しんでみませんか?