「あの子を探して」に続く張芸謀の「学校」モノ。でもこちらの方は教育だけでなく純愛と家族愛がテーマになっています。
時間的な描写が(現代)→(過去の追想)→(現代)と流れていきます。これは良くあるパターン、でも大抵は現代の描写部分がカラーで過去の部分がモノクロだったりするのですが、この映画ではモノクロの現代から始まり、過去のシーンになるとタイトル写真のような鮮やかなカラーが浮かび上がっていきます。これがこの映画のポイントで過去の恋愛が生き生きと描かれています。
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こちらが現代のシーン、右の女の子の40年後がこちら |
たまらない笑顔をふりまく、ヒロイン…中国の農村に本当にこんな子がたくさんいると勘違いしないように…左のような老人はたくさんいると思う。 |
この映画も「あの子を探して」と同じように一台の自動車が農村に到着するシーンからはじまります。監督の張芸謀はきっと2本の映画を対でとったに違いないと思いました。
村に新しくやってきた若い先生に村で一番のかわいい女の子(ディ)があこがれ、やがて恋に落ちるというありがちなストーリーなのですが、その恋の素朴で一途なところが非常に良く描かれています。
たとえば、学校の建設現場で働く男達に村の女達が毎日お弁当を差し入れるのですが、ディは自分の作ったお弁当を他の男ではなくお目当ての先生に食べて欲しくて置き場所を一生懸命工夫します。また先生に会いたくて、下校途中で待ち伏せをしたりもします。…一歩間違えば「ストーカー」なのですが、そもそも人を好きになるとばかばかしいことでもドキドキしてしまいますよね。好きな子の家の前を通るだけでドキドキしたそんな大昔の素朴な気持ちを思い出させてくれる、そんなシーンの連続に完全にやられてしまいます。
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プログラムのこのページには思わず笑ってしまいます。映画で登場するディの得意料理のレシピです。 |
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