今回の映画は結構シリアスなテーマだったので、それなりの覚悟をして臨みました。が、前半はわりと笑えるところが多くて、「なんだぁ、心配して損した」と思ったものでした。
結論から言わしてもらうと、「この映画は、何だったのか最後まで分かりませんでした。」
でも案外、このカンジって中国人の日本人に対して抱いている複雑な感情をしっかり表現しているのかも知れません。天津に赴任する日に北京空港で、タクシーの客引きのおにいちゃんを拒否したときに「おまえしらないだろ?日本人は昔中国を侵略したんだぜ」とかしつこく行っていたこと。青島だかどこだか忘れたけど、やはりタクシーの運転手が「俺、日本語しゃべるぜ」「ミシミシ(飯飯)、けおきけぇ(気をつけ?)、ばけぇやろ(バカヤロウ?)」と得意げに話していたのを思い出しました。
社会主義時代のプロパガンダ映画に登場する酷い日本軍人の役は中国人俳優、当然ながら当時の中国人の意識の中の日本人の怒声を率直に表現したのでしょう。「バカヤロ!」は今の日本人駐在員も結構使うけど、気をつけた方がいいね実際…中国人の意識の中では戦争当時の残酷な日本人の常套句だから、通じてるから…
この映画もちょっと日本人の側からみたら奇異な日本人観を表現していて、結局は日本人は中国人には理解できない価値観を持ち、最終的にはやっぱり酷いんだけど…途中ではそうでない日本人も出てくるし…何が何だか本当にわからなくなった映画でした。
結構、おもしろいという人もあるけど僕はちょっとお薦めできないね…後味が悪すぎる。最後監督本人が演じる中国人の首が切り落とされて目だけぎょろぎょろしているのもみていて気持ち悪いし…広東料理で食卓に出されて生きたまま脳みそを食べられるサルが思い出されました。
日本人俳優の日本語もはっきり言って変だったし、好きになれない映画です。
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彼がこの映画の監督兼主演の姜文、奥様はフランス人、大ヒットテレビドラマ「北京人在紐約(ニューヨークの北京人)の主演男優 |
彼らが日本人俳優3人、なかなかアジはあったがなにしろ日本語がヘンになっていた。どうして? |
姜文は、俳優としてはかなり有名だしアジがあるんだけど…監督としてはどうかなぁと思ってしまった実際。奥さんがフランス人っていうのは初めてしったけど、プライドの高い中国人とフランス人、人ごとながらうまくいくのかと心配になってしまう。
実は奥さんに自分を認めさせたくてカンヌ狙いに出たのでは?っていうのは穿った見方しすぎ?
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カンヌ映画祭での主演女優と日本人俳優二人、けっこう楽しそう…この女優は元中国の有名なバスケだかバレーだかの選手だったらしい |
左はしにデビッド・ウー(呉大維)がいます。台湾出身、米留学帰りで香港の「チャンネルV」でビデオジョッキーをしています。けっこう、ノリが良くておもしろい。こんな仕事もしてたなんて… |
まぁ、みてむちゃくちゃ損したってほどではないけど、見なくてもよかったかな?ってカンジ
日中近代史ものは、けっこう題材としてはむずかしいね…中国人はこの映画どうみたのかなぁ?あさって、天津時代の通訳と会うから見たか聞いてみよっと。
あっ、ちなみに音楽は崔健、でも「軍艦マーチ」しか耳に残っていないような…
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これが後味悪すぎるラストシーン、日本軍人は命の恩人の中国人の首をこの後、はねる。日本人もそんなには酷くはないと思うけど、当時も… |
2000年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
(スタッフ)
監督・製作・共同脚本: 姜文 Jiang Wen
原作・脚本: 尤風偉 You Feng-wei
共同脚本: 史建全 Shi Jian-quan
述平 Shu Ping
撮影: 顧長衛 Gu Chang-wei
音楽: 崔健 Cui Jian
劉星 Liu Xing
李海鷹 Li Hai-ying
録音: 呉凌 Wu Ling
編集: 張一凡 Zhang Yi-fan
フォルマー・ヴァイジンガー
Folmaer Weisinger
美術: 唐世云 Tang Shi-yun
(キャスト)
マー・ターサン: 姜文 Jiang Wen
花屋小三郎: 香川照之 Kagawa Teruyuki
ユィアル: 姜鴻波 Jiang HOn-bo
通訳トン・ハンチェン: 袁丁 Yuen Ding
ウー長老: 叢志軍 Cong Zhi-jun
酒塚猪吉: 澤田謙也 Sawada Kenya
野々村耕二: 宮路佳具 Miyaji Yoshitomo
丸山通信兵: 長野克弘 Nagano Katsuhiro
カオ長官: 呉大維 David Wu