岩波ホール エキプ・ド・シネマです。最近、ちょっと裏切られ気味なのでちょっと心配しつつ映画館に足を運びました。岩波ホールの客層の中では僕は完全に若輩者で結構居心地が悪かったりするのですが…「ガラスの城」あたりは、逆に映画の方が客層から浮いているような気がしてしまったのに比べて今回の作品は客層は年配で映画は児童映画ですが、妙にマッチしていました。この映画はまさに熟年のための児童映画といえそうです。
(ストーリーは…)
文化大革命のちょっと前の中国の江南地方の田舎の小学校。この小学校では学校の敷地内に校長先生が住んでいます。その息子がこの物語の主人公 サンサン(桑桑)。ちょうど自我の確立するころでしょうか?(でもまだおねしょが直りません)
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小学校の門です 油麻地というとつい 香港の九龍を思い出してしまうのですが 小学校の向こう側は太湖です |
勉強ができてしっかりものの転校生 彼女のミステリアスな背景が大人の世界との 接点を感じさせます |
小学校のセットは、わざわざこの映画のためにつくったとの事です。太湖(実際行ったことがありますが、イメージは完全に海です)のほとりの葦のしげる中にこじんまりとしているこの村とその中心の小学校は本当に理想郷という感じです。僕の田舎でもそうでしたが、昔の集落って小学校や中学校を中心に回っていたような気がします。学校での行事はそのまま集落の人たちにとっても一大イベントだったし…そういう面がそこかしこに表現されていてとても懐かしかったです。
この映画のポイントはいくつかあるんですが、原作が短編小説の集積になっているので その中からおもしろいエピソードを採用したとのことで…ひとつひとつのエピソードは全くバラバラということでもなく ほどよくつながりがあって自然に流れていて心地よかったです。
もちろんエピソード毎にテーマもあるのですが、とっちらかったような事がなく、それぞれがきちんとメッセージを表現していて本当に上手な監督だと思いました。
テーマは
(1) サンサンの成長(全編を通してですが、大人のサンサンが映画の語り手です)
(2) サンサンの初恋(だと思います)おきまりの転校生(ちょっと訳ありの…)
(3) サンサンの友情 お金持ちから転落してしまう優等生のライバル杜小康
(4) 親子の愛情
(5) 大人の世界と子供の世界のニアミス的接触
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